FOUCS CANVAS
「『集う』『揃う』住宅」。札幌市の住宅街に建つ40代の御夫婦と 3人の男の子の為の住宅。 できるだけ造り込みすぎず、 住まい手の生活スタイルの変化に対応できるよう “絵を描くキャンバス”のように シンプルで丈夫で飽きのこないような空間を 目指した。 南西側と北西側は道路に面し、北東側に戸建住宅、 南東側には高さ制限いっぱいの集合住宅がある。 電線や並び立つ建物に囲まれ借景することや 1階は朝方の採光が期待できない。 御夫婦は共に働かれており、子供たちも 学校や習い事などで昼間はほとんど居ない。 みんなで集まる夕方の時間を大事に過ごす為の 空間を中心に創って欲しいとのことだった。 そこで1階は天井高を2.1mと低めにおさえ 閉じた個室空間(寝室など)とした代わりに 2階には家族が揃って時間を過ごすリビング・ ダイニング・プレイルームなどを配し、 天井高3.0mとして開けたワンルーム空間とした。 ワンルーム空間では天気の良い日は 常に太陽光の恩恵に預かることができる。 また、空間を共有させ広がりを持たせている。 どこにいても子供の気配を感じることができる。 平面は4間×4間の西の角をカットした形状。 『集う』『揃う』というコンセプトから 全体の中心に“大黒柱”を配し、 そこに向かって梁を集約している。 この形状よって空間に広がりや力強さを 持たせられたのではと思う。 子供たちはこの柱を器用に登っていく。 ロフト部分も子供たちの秘密基地となる。 外壁は耳付の道南杉の下見板張りである。 耳をカットせず納めている。 コントロールできない木材本来の個性を 引き出せているのではと思う。 表面は無塗装。 赤みのある材料が年月が経つごとに シルバーに古美ていく。 時間をかけて変化を楽しめる外装。 北東面の大きな窓が行燈となり家族の帰りを 迎えてくれる。 住宅は竣工が完成ではなく、完成へのスタート。 この住宅が住まい手と共に素敵に 歳を取ってもらえたらと思う。
FOUCS CANVAS
- 用途
- 専用住宅
- 建設地
- 札幌市
- 規模
- 107㎡
- 期間
- 設計10ヵ月、施工6ヵ月
- 施工
- 北海建工株式会社
- 写真
- KEN五島