YUSUKE IGARASHI + GREEN RLIGHT ASSOC. 一級建築士事務所

TSUCHIURA CANVAS

「気配を感じる住まい」。新興住宅街に建つ30歳台前半のご夫婦と4歳と2歳の男の子の 4人家族が住まいです。 外装は茨城県産の杉板と左官仕上げ。 玄関横には記念樹のメイゲツカエデ。 住まいに四季を運んできてくれます。 玄関に入ると、ワンルームのような一体の空間が広がります。 内部はスキップフロアになっており、 建具や間仕切で空間を区切るのではなく、 床レベルの高低差によってエリア分けをしています。 また、内部建具を極力減らし、ロールスクリーンで区切っています。 ビビットな色ですが、飽きたとき壁をやり替えるより容易に模様替えできます。 こうすることによって、各部屋に広がりを持たせ 空間の閉塞感を無くしています。 一つ目のフロアはリビングと和室とトイレ。 通常の来客者はこのフロアで完結でき、 キッチンやユーティリティーに人を入れずに済みます。 和室の障子はすべてしまうことができるので、普段はリビングと一体的に使用し、 宿泊客がある場合は、障子を引き出し独立した和室として使うことができます。 床はすべて墨汁塗装。 新築特有の揮発性のにおいはしません。 冬季に日射を取り入れ、床面を暖め、暖房費をおさえる働きも兼ねています。 二つ目のフロアはキッチン、バス、ユーティリティーの水周り・家事ゾーン。 一つ目のフロアより60センチ上がっているので、 急な来客でもシンクの中が覗かれることはありません。 家事動線を短くし、奥様の負担を減らしています。 ユーティリティーから直接アクセスできるサービスバルコニーで 日々の洗濯物を干すことができます。 三つ目のフロアが子供部屋、主寝室のプライベートエリア。 中心の主寝室を囲うように子供部屋があります。 吹き抜け側に『内の窓』を設け、 一日中自然光に包まれます。 子供たちは、そこからお母さんの声やごはんの香りを感じ、 お母さんは常に子供たちの気配を感じることができます。 子供たちも『内の窓』からお互いの気配を感じます。 夏は、オペレーターのスイッチ一つで、 玄関上の木窓が開き、心地よい風を運んでくれます。 風の取り入れ方で酷暑もやわらぎます。 断熱は外張り断熱と充填断熱を併用し冬季はもちろん 夏季の冷房効率にも影響を与えます。 2人のお子さんは一日中走り回って 家の中は毎日運動会です。

TSUCHIURA CANVAS

用途
専用住宅
建設地
茨城県土浦市
規模
143㎡
期間
施工
株式会社岡田工務店
写真
鳥村鋼一